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りん酸塩処理りん酸塩処理・りん酸塩処理・燐酸塩処理
りん酸塩処理は化成処理の代表的な方法の一つで鉄鋼や亜鉛などの金属表面にりん酸亜鉛などの金属塩の薄い皮膜(ミクロンオーダー)を生成させるものです。
その工業的目的は古くは道具、武器などの金属製品の錆防止でありましたが近年は塗装下地として塗膜が剥離しにくくすること、塗膜に傷が付いても錆が広がらないようにすることを目的とし、自動車を初めとした工業製品に広く標準的な方法として採用されています。
塗装下地以外の目的としては金属の引抜き加工、鍛造加工、押出し加工等において潤滑剤と併用することで塑性加工を容易とする目的も重要です。金属の塑性加工は太い鋼線を細かく切断し、一本一本からボルトに加工(コールドヘッディング加工)したり、歯車などの機械部品を打抜きで作ったり(冷間鍛造)、細い針金にしたり(線引き)、太いパイプを細くしたり(パイプの引抜き)、と様々な用途で利用されています。
塑性加工の大きな目的は切削などの機械加工と違い材料が無駄にならないこと、加工硬化により加工後の部品強度が高くなることの二つにあります(安い材料で高価な材料と同じ性能を得る)。りん酸塩処理の種類も目的に応じ、りん酸亜鉛、りん酸鉄、りん酸マンガン、りん酸カルシュウム等があります。尚、りん酸塩処理の標準的な工程は
- ①金属表面の洗浄(アルカリ脱脂剤を使用)
- ②すすぎ(水洗)
- ③処理(りん酸塩処理浴)
- ④すすぎ(水洗)
- ⑤乾燥(熱温風)
で、スプレーの至浸漬法により実施されます。薬剤を使用するのは①、③の工程で、通常、処理効果促進のため加温されます。又、そこでの処理時間は1分未満から数分場合によって10分以上かけることがあります。
りん酸塩処理後は- 防錆目的の場合は表面に防錆油を塗布することで完成。
- 塗装目的の場合は電着塗装、溶剤塗装、が同一ライン内で直ちになされ、更に引続き必要に応じ上塗り塗装までなされる。
- 塑性加工を目的とする場合はステアりん酸ナトリウムを主成分とする石鹸処理を乾燥前の追加工程として施し、引続き直ちに加工に供される。
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りん酸亜鉛処理りん酸亜鉛処理・りん酸亜鉛処理・燐酸亜鉛処理
りん酸塩処理の1つで最も多く使われているのがりん酸亜鉛処理です。処理液の主成分はりん酸イオンと亜鉛イオンから構成されており、結晶性の皮膜が形成されます。皮膜の主成分はホパイトとフォスフォフィライトからできています。この処理は塗装下地として広く使用されており、耐食性、密着性を大きく向上させます。また、冷間鍛造の潤滑皮膜としても使用されています。適用素材は鉄鋼、亜鉛メッキ製品が多いのですが、その他の素材への適用例もあります。処理温度は60℃以下のものが多く、常温タイプのものもあるので、使いやすいのも特長のーつです。
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りん酸カルシウム処理りん酸カルシウム処理・りん酸カルシウム処理・燐酸カルシウム処理
りん酸塩処理の1つで、処理液の主成分はりん酸イオン、亜鉛イオン及びカルシウムイオンから構成されており、結晶性の皮膜が形成されます。皮膜の主成分はショルツァイト(Scholzite)CaZn2(PO4)2・2H2Oとホパイトからできています。この処理はりん酸亜鉛処理と比較して、耐熱温度が高いため高温で焼き付けられる塗装下地に適しています。また、冷間鍛造の潤滑皮膜としても適しています。適用素材は鉄鋼製品で、処理温度は80℃~90℃と高いのが難点です。
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りん酸鉄処理りん酸鉄処理・りん酸鉄処理・燐酸鉄処理
りん酸塩処理の1つで、処理液の主成分はりん酸イオンで、他のりん酸塩処理と違い非晶質の皮膜が形成されます。皮膜成分はりん酸鉄で皮膜厚は非常に薄く(1μm以下)、干渉色によって青色から黄色などの皮膜外観を呈しています。この処理はりん酸亜鉛処理と比較すると耐食性は劣りますが、無処理よりはずっと耐食性も良く、塗装密着性も得られる上、他のりん酸塩処理よりも安価で浴液管理も容易なため、塗装下地用として広く使われています。適用素材は鉄鋼製品のみとなります。
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りん酸鉄・りん酸亜鉛に代わる次世代表面処理剤りん酸鉄・りん酸亜鉛に代わる次世代表面処理剤
各種塗装下地用りん酸塩系化成処理に代わる環境に優しい次世代型化成処理剤(パルシード)
参考キーワード:環境対応 工程短縮 リンフリー 重金属低減 スラッジ低減電着 溶剤 粉体 水系 塗装 塗装下地
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りん酸マンガン処理りん酸マンガン処理・りん酸マンガン処理・燐酸マンガン処理
りん酸塩処理の1つで、処理液の主成分はりん酸イオン及びマンガンイオンから構成されており、結晶性の皮膜が形成されます。皮膜の主成分はヒューリオライト(Hureaulite)Mn5(PO3(OH))2(PO4)2・4H2Oからできています。この処理はりん酸亜鉛処理と比較して、皮膜が厚いのが特長で(5~15μm)、主に摺動部品などの潤滑用皮膜として用いられています。適用素材は鉄鋼製品で、処理温度は80℃~90℃と高く、処理時間も5~30分と長いのが難点です。
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リンマンプラスリンマンプラス
りん酸マンガン皮膜の耐摩耗性、耐焼付き性を大幅に向上させます。
注) (*)印は弊社の商標または登録商標です。
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冷間圧延圧延
一般に加工硬化をともなう圧延で工業的には常温で潤滑・冷却を兼ねる冷間圧延用潤滑剤を用いる圧延を冷間圧延と称しています。
冷間圧延用潤滑剤として用いられる弊社の圧延油ファインロールシリーズは循環式(R/C)で使用する物と、 直接式(D/A)で使用する物とに分類され、用途に応じ各シリーズがあります。R/C用は良好な乳化安定性と高潤滑性、 D/A用は極めて優れた潤滑性を有していることです。又、フォーミング油並びに圧延に伴う汚れのもとであるスカムを良く洗い落とす洗浄剤も好評です。 -
冷間圧延油冷間圧延油
一般に加工硬化をともなう圧延で、工業的には常温で潤滑・冷却を兼ねる冷間圧延剤を用いる圧延を冷間圧延と称しています。冷間圧延剤として油が用いられることがあり、油単体もしくはエマルションの状態で使用されます。
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冷間鍛造の一工程(一液型)潤滑処理冷間鍛造の一工程(一液型)潤滑処理
自動車部品などの冷間鍛造用潤滑処理として、りん酸塩+石鹸処理に代わる一工程(一液型)潤滑処理システム(PULS)の各薬品(ファインリューベEシリーズ)。処理設備の設計・販売も行っております。
参考キーワード:環境対応 ボンデ代替 廃水処理設備不要 エネルギー削減 トータルコスト削減 中間在庫削減 インライン処理 コンパクト